
SEOとWebアクセシビリティの関係
「SEO対策」という言葉を耳にしたことあるけど、具体的に何をすれば良いのか分からない人も多いのではないでしょうか?
「SEO対策」でするべき対策例と、実は関係のある「Webアクセシビリティ」について解説していきます。
1. SEOとクローラーとは?
Search Engine Optimization (検索エンジン最適化)、SEOと呼びます。そしてSEO対策は、検索エンジンに適合するようWebサイトに様々な施策を打つことを指します。
このSEOでは、検索エンジンのクローラーについて知ることが重要です。クローラーとは、検索エンジンがインターネット上の情報を自動巡回して情報収集するプログラムです。
少し前のクローラーには、インターネット上を巡回して検索されているワードが多く使われているサイトを上位にするイメージがあるかもしれませんが、最近のクローラーはAIを搭載し、
ワードの使用頻度よりも「分かりやすさ」を評価している傾向にあります。
Chromeの”開発者ツール>lighthouse”ではSEOスコアが計測可能で、0~100のスコアで表示されます。ただ、スコアが100だからといって、必ずしも上位にランキングされるわけではありません。
2. SEO対策の例
SEO対策の例として、見直せるポイントを4つご紹介します。
i.サイトの表示速度
サイトの表示速度が速いほど上位にランキングされると言われています。
更新が入らない静的ページでは長期間キャッシュするようにすることや、動画の埋め込みを画像に変更するなど、サイト表示速度改善の対策を講じることも有効です。
ii.コンテンツ内容や文章の理解のしやすさ
最近のクローラーは、AIが書かれている文章を理解した上で、「分かりやすさ」も判断基準にしています。
言い回しを小難しくして聞き慣れない単語を多用してしまっている場合、マイナス判定を受ける可能性があります。簡潔かつ平易な言葉を心掛けるなどして、分かりやすさも念頭に置き、文章作成することをオススメします。
iii.sitemap.xmlとrobots.txtの設定
sitemap.xmlは、サイト上のすべてのページ情報を検索エンジンに効率よく提供するためのファイルで、新しいページや更新されたページが早く検索結果に表示される可能性が高まります。
robots.txtは、クローラーがサイトを巡回する上で、「このページは巡回しない(Disallow)」や「サイトマップのディレクトリはここ」といった情報を集約した、クローラー向けの指示書のようなものです。クローラーが重要なページに集中できるようになり、検索エンジンランキングを向上させる効果があります。
sitemap.xmlとrobots.txtを設定する上で、注意点があります。
robots.txtでDisallowと設定しているページは、 sitemap.xmlに記載しないようにしてください。「巡回許可していないページを巡回対象とする」という記述となり、矛盾があると判断され、マイナス判定されます。ただし、noindexタグを使用しているページはsitemap.xmlに記載しても問題ありません。noindexタグは、「巡回した上でインデックスしない」という効果があります。
“robots.txt> Disallow “とnoindexタグの違いを理解した上で使い分けていきましょう。
iv.ターゲットユーザーの検索ワードの使用
サイトで使用しているワードが検索されておらず、検索の母数が少ない場合は検索上位を取れても流入数はあまり期待できません。流入数で悩んでいる場合は、Googleトレンドで検索ワードの傾向を分析してみましょう。
Googleトレンドは、「検索ワードが最近どれくらい検索されているか」を調べることの出来るツールです。検索数が低い場合、ターゲットとしているユーザー目線で検索しそうなワードの検索数を調べ、検索数の多いワードを使用することで流入が見込めます。
ただし検索数の多いワードだと競合多数になってしまうので、広告利用で強制的に上位に表示させることも有効な手段であると留意が必要です。
また、ゲームのタイトルを略語で検索すると、公式サイトがヒットせず攻略サイト等の非公式サイトが上位に出てくる場合があります。これは、公式サイトと非公式サイトのワードチョイスの乖離が原因ではないかと、個人的に推測しています。公式サイトではあまり略語を使いませんが、ユーザーは略語で検索することが多いため、結果的に非公式サイトが上位に出てくるのではないでしょうか。
この場合、descriptionタグ内で略語を使用して説明文を記載することが有効な対策です。
3. Webアクセシビリティとは?
①SEOとの関係
Webアクセシビリティとは、ウェブコンテンツが高齢者や障害の有無に関わらず利用できる状況の幅広さを意味します。
国際アクセシビリティ専門家協会 (IAAP) の調査で、Webアクセシビリティが対策されているサイトは、平均 12%アクセスが増加したという結果があり、SEOと深く関係があると考えられています。
日本では2024年4月から「障害者差別解消法」が改正され、合理的配慮の提供が民間の事業者も義務化されました。
これには一定の水準があり、それを満たさなければならないというわけではありませんが、可能な限り配慮をしなければなりません。そのため、気がついた点から改善をしていくことが大切です。
Webアクセシビリティのチェックは、総務省が公開している”mi Checker (エム アイチェッカー)Ver.3.0”で診断が可能ですが、対応OSはWindows10と11のみです。Macをご利用の場合は、先ほど紹介した”lighthouse”で簡易的なWebアクセシビリティのチェックが可能です。
一度、サイトがWebアクセシビリティに対応しているかチェックし、改善点を洗い出しておくことがオススメです。
②Webアクセシビリティとの例
Webアクセシビリティの具体的な対応例を3つご紹介します。
i.画像のalt属性に説明文を記載する
画像にalt属性で説明を提供することで、視覚障害者やスクリーンリーダーユーザーにも情報を伝えやすくなります。これは読み上げツール等を使用している人は、文字情報のみが認識可能なため、「どんな画像があるのか」を認識するために設定が必要です。
スコアリングツールでは内容の妥当性まではチェックしていないので、スコアだけをクリアするのであれば適当に文字を設定していれば問題ありません。ただ、検索エンジンのクローラーは先ほども述べた通りAIを搭載しており、内容の妥当性までチェックしている可能性があります。
画像検索などでも上位を狙いたい方は、画像に対応した説明をalt属性に設定するのが良いかもしれません。
ii.文字の背景色はコントラスト比を高くする
人によっては、異なる色の組み合わせでも同じ色と認識してしまう場合があります。色の組み合わせによっては、背景と同化して文字が読めない事態も起こり得るため、必要な情報を記載しているページでは配慮が必須です。
Chromeの”開発者ツール>Rendering>Emulate vision deficiencies”で色の見え方を確認することが可能なので、デザインテストではチェックしておきたいポイントです。
iii.動画コンテンツには字幕をつける
最近、動画コンテンツの埋め込みが流行っていますが、字幕をつけて誰が見ても内容を把握できるようにしておくことが大切です。
動画を自動再生する場合、MacやiPhoneのSafariでは「ミュート状態」でないと自動再生できないため、自動再生したいコンテンツには字幕はつけておいたほうが良いかもしれませんね。
4. まとめ
色々書きましたが、SEO対策において正解はなく一朝一夕で成果はでません。
Google Chromeのlighthouseで改善点の洗い出し、Google Search Consoleで検索傾向に応じて使用ワードを分析、Googleトレンドでユーザーの検索ワードにアンテナを張るなど、様々な対策を施してサイトを常にアップデートしていくことが大切です。
検索エンジンもAIにより、大幅な進化を遂げています。検索エンジンではなくAIに対して対策をする時代が、もうそこに来ているのかもしれませんね。