自動化ツールmablについて
ソフトウェア開発においてテスト工程は非常に重要ですが、限られた開発期間で効率化を図るため自動化が必要です。例えばリグレッションテストなどの同じ手順を繰り返すテストは、自動化することで工数が大幅に削減できます。
今回はローコードでテストの自動化が実現できるツール「mabl」を紹介します。
1.mablの基本操作
mablの基本操作はmablトレーナーで行います。mablトレーナーとはGUI操作でテストの手順を記録する機能です。
単純な操作手順のテストはコードを書く必要が無いため、開発経験が無い方でも利用できます。
基本操作以外にも様々な便利機能がありますので一部紹介します。
2.mablの便利機能
①メールの受信テスト
WEBアプリのテストをする際、アカウント作成時やパスワードを復元したい時などにメールを受信することがあると思います。
mablではそういった場合のテストケースを作成することができます。
メールアドレスには、mabl上にあらかじめ作成しておく“永続的メールアドレス”、テストケース作成時に作成する“一時的メールアドレス”の2種類が存在します。
“永続的メールアドレス”は別のテストで作成したアカウントに対して、パスワードを復元する操作をしたい場合に使用できます。
“一時的メールアドレス”はテストを実行するたびに発行/削除するため、複数アカウントを作成する際に登録するメールアドレスとして使用できます。
②自動修復機能(オートヒーリング)
仕様変更でテストの修正が必要な場合がありますが、mablの自動修復機能で軽微な修正が可能です。
たとえばレイアウト変更、軽微な文言変更はAIが自動で修正します。そのため細かい修正が多いアプリケーションを実装する際は、メンテナンスの工数を大きく削減することが可能です。
③プラン(複数テストをまとめる)
ユーザーが作成した複数のテストを1つのプランとしてまとめることができます。
プランにまとめるメリットが複数ありますのでご紹介します。
たとえばレイアウト変更、軽微な文言変更はAIが自動で修正します。そのため細かい修正が多いアプリケーションを実装する際は、メンテナンスの工数を大きく削減することが可能です。
- ステージごとにテストを分けられる(逐次実行/並列実行)
- 変数の共有ができる
- テスト実行のスケジュールを設定できる
プランにまとめる際はステージにテストをグループ化していきます。ステージを複数作成することも可能で、ステージごとにテストの実行方法の設定ができます。
例として、「新規ユーザーの作成」「ユーザー情報の編集」「登録したユーザーによる操作×3」の5つのテストをプランにまとめるとします。
ステージ1.「新規ユーザーの作成」と「ユーザー情報の編集」を“逐次実行”
:ユーザー作成後に編集操作をする必要があるため
ステージ2.『登録したユーザーによる操作×3』を“並列実行”
:テストの完了順が順不同でも問題ないため
とすることで、並列実行する分のテスト工数を削減することができます。
テストでは変数を作成することができます。基本的にテストで使用する変数は、他のテストでの使用ができませんが、プランにまとめることで他テストへの変数の受け渡しが可能になります。
例として、テスト①にてユーザーIDを作成して“userid”という変数に格納し、その変数“userid”をテスト②で使用するとします。
パターン1. プランにまとめず、テスト①、②の順番で実行
→ テスト②でエラー:テスト②では変数“userid”を作成していないため
パターン2. テスト①、②を1つのプランにまとめてから実行
→ テスト②で変数“userid”が使用可能となる
プランでは“タイマー”、“デプロイ”、“スケジュール”の3つの実行トリガーを設定することができます。
利用したいシーンに合わせて設定することで定期実行してくれるため、手動で実施する手間が省けます。
タイマー:一定の間隔で実施したい場合
デプロイ:デプロイされたタイミングで実施したい場合
スケジュール:実施する日付、時間が決まっている場合
3.まとめ
今回は自動化ツール「mabl」の特徴についてご紹介いたしました。
mablは開発経験がない人でも扱いやすいUIとなっており、テストの作成から修正、テスト実行までが簡単に操作できるため、テスト工数の削減が期待できます。
また、14日間の無料トライアルをはじめ、導入、運用サポートと支援体制もあり、日本語のマニュアルも充実しています。
弊社のテスト自動化サービスでは、mablを含めさまざまなツールの運用経験がありますので、テスト自動化による効率化・省人化を実現します。
お客様の体制に合わせた最適なツールを提案いたしますので、テスト自動化のお悩みがございましたらお気軽にご相談ください。