製造メーカー様
要件定義や基本設計から徹底的に検証し
問題点を明確化してテストを再構築
概要
難航していた基幹システムの開発プロジェクトについて、当社検証サービス部が徹底的な調査を行い、機能実装やテスト内容に関する不備を明確化。 機能落ちしている箇所を指摘するとともに、テストの再構築を行うことによってその十分性を確保し、品質の飛躍的な向上を実現しました。
- 仕様に関する認識のズレによって機能実装の不備が発生し、不具合が頻発している
- 不具合が多数検出され、品質が向上しない
- 徹底的なトレース作業を実施
- 実装の不備をリストアップして機能落ちの改善を提案
- テストの再構築とやり直しを提案
- 第三者視点での検証で問題点を見える化
- 機能落ちによる不具合を解消
- テストの⼗分性と信頼性が担保され品質が向上
背景
今回、トーテックアメニティの検証サービスをご活用いただいた製造メーカー様では、数年にわたって基幹システムの大規模なリプレイスをオフショア開発で実施していましたが、単体テスト、結合テストのフェーズで担保されるべき不具合が下流工程で多数検出され、プロジェクトが難航。仕様確定後の改修という理由からコストがかさみ、スケジュールが延びていく中、開発ベンダーに一任していたテスト工程の信頼性に疑問符がつけられていました。
問題点を明らかにするためには第三者の視点が必要と考えたお客様は、当社検証サービス部に調査と助言を依頼することになりました。大規模な基幹システムのマネージメントには、豊富な経験とノウハウが必要です。トーテックアメニティでは、検証チームのリーダーとして基幹システムにおける実績が豊富な人材をアサインし、プロジェクトを円滑に進行するための支援を行うPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)としてプロジェクトに参画しました。
調査
当社検証サービス部では、それまで開発ベンダーが作成してきた成果物について徹底的なトレース作業を実施。要件定義から、基本設計、詳細設計、プログラミング、単体テスト、結合テストにいたるまで、数ヶ月を掛けて膨大な資料を洗い出し、開発工程とテスト工程のそれぞれがきちんと紐付く形でトレースされているかどうかを確認しました。
その結果、
- 要求分析が不十分なため、要件定義漏れが発生していた
- すべての基本設計、詳細設計に紐づくテストがおこなわれていなかった
- 各テスト仕様書からテスト結果に対する妥当性の確認ができるテスト仕様書になっていなかった
などの問題が明らかになりました。
解決策
要件定義がきちんとなされておらず、要件の反映漏れや機能の実装漏れがないか十分にトレースされていなかったため、実装されるべき機能や業務フローが数多く抜け落ちていることが判明しました。当社検証サービス部では、徹底的なトレース作業を行うことにより正しい仕様を関係者間で確認・共有するとともに、実装の不備をリストアップし、機能落ちの改善をご提案しました。
また、実施済みのテストを調査したところ、テスターの感覚によってテスト結果がOKにもNGにもなってしまう、業務フロー間・操作画面間の結合がきちんと検証されていないなど、テストのシナリオが不十分であることも判明しました。当社検証サービス部では、これらの状況を踏まえてテスト内容の再構築を実施し、単体テストと結合テストをもう一度やり直すことをご提案しました。
導入メリット
機能落ちの解消、テストの再構築を柱とするご提案を、開発ベンダーとテストベンダーが実践することにより、テストの十分性と信頼性が担保され、システムの品質は目に見えて向上しました。停滞しつつあったスケジュールも本来あるべき開発スピードを取り戻しています。
従来、大規模システムの開発プロジェクトでは、設計、実装からテストまでを一括で契約するのが通例でした。しかし、実際に不具合が発生した場合、その原因を客観的かつスピーディーに特定するには第三者の視点が必要となるケースが少なくありません。今回のように第三者の検証ベンダーがプロジェクトに入ることによって、プロダクトを客観的に検証し、問題点をしっかりと見える化しながら改善を進めていくことが可能になります。近年ではテスト専門ベンダーも活躍の場を広げつつあり、テスト工程を第三者視点で独立させる開発プロジェクトも多くなってきました。
また今回は、各工程の検証だけではなく、マネージメントチームの人数不足や開発ベンダーとの交渉法など、体制面、運用面についても広範囲にアドバイスさせていただきました。お客様からは「もっと早い段階からプロジェクトに入ってもらえば良かった」との評価をいただいております。
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